「いつまでそこにいるつもり?いい加減邪魔なんだけど」

 解放軍本拠地、魔法兵団長自室。仕事をこなしていたルックは、うんざりとした顔で軍主を見た。

「えー別にいいじゃん!そんな冷たいこと言わないでー」

 ルックのベッドに我が物顔で寝っころがっているベオークは、満面の笑みで言った。

「あーもーウゼェ」

「酷いよルック!」

 仕事机に頬杖をつき、心底鬱陶しそうに顔を歪めた。

 それでもガリガリとやる気なさげに羽ペンを動かす。

「あんたさぁ、仮にも軍主だろう?仕事しろよ。あんたがサボるとこっちに付けが回ってきていい迷惑なんだけど」

「だってさー、僕机に向かっても3分しか持たないんだもん」

「死ね」

 これが嘘でないから困ったものだ。しかし。

「今日までの分一時間で終わらせたらかまってやるよ」

「ホント!?」

 俯せでだらけていたベオークは、ガバッと上半身を起こし顔を輝かせてルックを見る。

「ああ。だからさっさと仕事しろ」

「分かった!僕ちょっと行って来るね!」

 嬉々として出ていくベオーク。

「…餌があるとできるくせに」

 やればできる有能者。今回は軍自体が大夫切羽詰まっていたので、ルックは仕方なく馬の目の前に人参をぶら下げてやった。

 フッと笑って、ルックは仕事を再開した。

「馬鹿め」



三十分後…

 バターンと盛大に音を立ててルックの部屋へと入ってきたのは、やはりというか軍主ベオークであった。

「終わったよ!ルック!」

 だからかまって、とルックの周りをチョロチョロと動き回る。尻尾があったらちぎれんばかりに振っているだろう。

「駄目」

「何で!?」

「一時間経ってないのに終わらせたから」

 事も無げに言って仕事を続けるルック。

「〜〜っルックの馬鹿ぁーーー!」

 涙を浮かべて走り去っていくベオーク。

 はぁ、とため息を吐いてルックはお茶の準備をし始めた。

「…どうせ五分後には戻ってくるくせに」


 


友達とたまに、携帯で小説の送り合いをします。
その時に出来たものです。
ので、短め。
ルックはべオークを見下してます。
「あいつが僕より上だなんてことはありえないね。あったとしたら屈辱以外の何者でもないじゃないか」
とか言いそう。