「綺麗だね…」
「本当に、夕日が綺麗…」
「いや、夕日ではなく…君がさ」
「!」
海辺のペンション。そのベランダ。
二人寄り添って海を眺める姿は、坊――ベオークの言う通り美しい。
白いワンピースに、白い帽子。まるでどこかの令嬢のような出で立ちのルック…
「っ〜〜!!やってられっかこんなこと!」
ルックは乱暴に、自らの頭から帽子を取り去りベオークに投げつけた。
柔らかい素材のはずのそれは、何とも小気味いい音を奏でた後地に落ちた。
「な、何言ってるのルック!お題だよ、ロマンティックラブ満喫しようよ!」
「煩い!こんなベタベタなロマンチックあるか!」
赤く染まった鼻を押さえつつ、ベオークは必死にルックを説得しようとする。
「大体何で僕が女装しなきゃならない訳!?ありえない!」
「似合ってるよルック」
微笑んでルックの頬を手で包む。
「死ネ!!」
そう言って、ルックはベオークの鳩尾へ膝蹴りを喰らわせた。
「がっ!?」
ベオークは地に平伏した。
「あーウザッ!キモッ!やってられっかばっからしい!!」
ズンズンと大股で去っていくルック。
「ち、ちょっと酷いよ…ルッ…ク…」
ベオークは力尽きた。
continue?
yes!!