序章


ザクッ ザクッ ザクッ



 太陽が丁度真上に上がったときだった。規則的な土を掘る音が聞こえる。

 一面の花畑にいるひとりの男。大きなスコップを持つ手が止まる。その後、ズッ ズッ と、何かを引きずるような音がする。その音はすぐに止み一度、ドサッという音がした。

「ふぅ…」

 その男のため息。大きな麦藁帽子を被っているため、はっきりと表情を伺うことは出来ない。しかしその男の顔は晴れやかだった。

「今日はこれで終わりかな…?」

 その時、視線が走った。

「え」

 そこにはひとりの人間が立っていた。年の頃は十六、7だろうか。目を見開いて、麦藁帽子の男を見ている。

「ええと、お客…さん?」

 雲のない空から降り注ぐ太陽が、

ギラギラとしていて眩しかった。