快晴。僅かに雲を残した空は、雨の気配を全く感じさせない程カラッとしている。
ボロボロのコンクリートビル。一度は廃棄が決まったここは、今私の隣にいる綺麗な顔の男が買い取りそのまま放置されることとなった。その屋上。当たり前にと質疑応答。
「どうして人は、相も変わらず愚かなのかしら」
「そう簡単ではないからさ。その苦労や月日を思えば、不変でいることがどれほど楽か。人はそれを無意識に知っている」
「ここは、何故この文明で生きていく事を選んでしまったの?」
「ここがたまたまそうなだけさ。世界を見てごらん。過去に振り返れば更に。そのどれもがどこででもありえ、けれど、全てがそう在るべくしてそうなった。偶然と必然は同義さ」
「世界はいつか、終わるのよね?」
「ああ終わるさ。君が生きている内は無理だろうけどね。少なくとも、太陽の寿命が来たら終わるんじゃないかな」
彼が生きている内ならば、この世界も惜しいと思う。でも彼がいない世ならば、どうなろうといい。
「じゃあ、また明日」
「また明日」
これからも、ずっと。
質疑応答の正当な続編であり暇つぶしでした。
質疑応答が終って、別のを書いていたのですが、詰まったのでノリで書きました。
でも一つだとさすがに短すぎるような...
まぁいいか。