あるところに、黒い髪に赤い目の、子どもがいました。
「まぁ未成年ではあるけど」
子どもはいつも赤い頭巾を被っていたので、皆に赤ずきんちゃんと呼ばれていました。
「これ衣装だって今日初めて着たんだけどな」
赤ずきんちゃんはお母さんにお使いを頼まれ、おばあさんの家に行くことになりました。
「お母さん?」
「私です」
「レックナート…その歳で母親だなんておこがましい…」
「黙りなさい。さぁ、おばあさんが風邪を引いた事になっているんです。この私の手料理を持ってお行きなさい」
「…これ朝ルックが作って」
「さっさと行け!」
赤ずきんちゃんはお母さんに見送られ、おばあさんの家へと出発しました。
「全く…」
おばあさんの家まで後半分というところで、綺麗なお花畑に差し掛かりました。
「…やぁルック!随分と可愛い格好をしているね」
「煩い!こんな耳や尻尾つけたくて着けてるんじゃない!」
オオカミにそそのかされた赤ずきんちゃんは、おばあさんにお花を摘んでいくことにしました。
「別に摘んでかなくていいよ。僕転移してくし」
「…いや、摘んでくよ」
「あっそ。それじゃね」
赤ずきんちゃんは沢山の花を綺麗に花束にしました。
それが終わると、赤ずきんちゃんはおばあさんの家へ向けて再出発しました。
しばらく歩くと、
「歩いてないし」
おばあさんの家が見えてきました。
「あ!ラーグさん。早かったですね」
「だって花畑あそこだし」
「めちゃめちゃ近いですね!」
「ん…?ヴァーリは何役?」
「おばあさん役何ですけど、絶対出番ないんでここでちょっと出演しようかと」
「最後に出番ある…ないね」
「でしょ?じゃ、ボクそろそろ」
「あぁ、じゃあね」
「お気を付けて〜」
コンコン
赤ずきんちゃんはおばあさんの家の戸を叩きました。
「…どうぞ」
「お邪魔します」
おばあさんはベッドに入り、布団で顔を覆っていました。
「早かったね」
「おばあさん、声がガラガラ。どうしたの?」
「え、真面目にやるの?」
「おばあさん、どうしてそんなに耳が大きいの?」
「それは…って、何この手。ちょっと…」
「おばあさん、どうして口が大きいの?」
「ちょっと…うわ!」
「それは僕とキス(その他諸々)するためだよね」
おばあさんに化けていた狼は、赤ずきんちゃんを食べてしまいまいました。
「んっ、僕が今まさに食べられそうなんだけど!?」
「あ、花束ルックにプレゼントね」
と、その時。ドアを開けて入って来たのは狩人でした。
「え…わ!」
「誰だい邪魔するの…ってセラ!?時間軸おかしいよ!僕未成年だろ!?ってセラを知ってる僕も時間軸おかしいけど!!」
おばあさんと赤ずきんちゃんを食べてしまったオオカミを、狩人は銃で撃ちました。
「うわっ、赤ずきんちゃんを狙う狩人がどこにいる!」
「黙りなさい坊めが!高潔なルック様を犯そう等と笑止千万!潔く死になさい!!」
銃に撃たれ死んだオオカミの腹を、狩人はハサミでザクザクと切り裂いていきました。
「ちっ、ちょろちょろと小賢しい!」
「本当にセラかこれ!?」
すると、中から赤ずきんちゃんとおばあさんが生きたまま出てきました。
オオカミのいなくなった森で、皆は幸せに暮らしました。
めでたしめでたし。
「くたばれ坊!!」
「うわっ、ちょっと真面目に危ないんだけどー!!?」
「ね?ボクの出る余地なかったでしょ?」
こういうレク様とセラ子が大好きです。
打撃系魔女っ娘セラ。略して打セラ。
珍しく?ルックが目立たなかった。
2主は腹黒であると固く信じてたりする私。
てゆーかなぜラーグなんだろう...
何のためにベオークがいるのか。
ん?まだベオークは作ってなかったのかな。